賞与の支給日の直前に解雇となった場合には、支給日在籍規定により不支給になるのか?

「12月の賞与支給日に在籍する従業員に支給する」旨の賃金規程が存在し、12月1日で解雇となり、雇用契約が終了しているとして、賞与の請求権が否定された事例
(平成5.6.8 東京地裁判決 C・Aビジョン事件)
判決の要点
原告労働者らに対する解雇
被告会社は、原告らに対し、平成3年12月初め頃、雇用保険被保険者離職票を送付したことによって解雇の意思表示をし、原告らが出勤しても技術部門を閉鎖して原告らの労務提供を拒否していたのであるから、同月1日、原告らに対し、解雇の意思表示をしたものといえる。
賞与に関する規定と支給実態
被告会社は、賞与につき、賃金規程17条で「毎年7月及び12月の賞与支給日に在籍する従業員に対し、会社の業績、従業員の勤務成績等を勘案して賞与を支給する。但し、営業成績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合には、支給日を変更し、又は支給しないことがある。」と定めている。
これを受けて被告会社では、これまで従業員に対する賞与については、M社長と従業員との交渉によって業績等を考慮して支給してきており、その支給基準は明確となっていなかった。
原告らの解雇と支給日在籍要件の欠如による賞与の不支給
上述の認定事実によると、被告会社の従業員に対する賞与は、この支給日に在籍する従業員に対し支給するというものであり、しかも、この支給額については被告会社の業績等の変動要素を考慮した上、被告会社が決定していたものであり、また、業績等によっては支給しないこともあるというのである。
してみると、原告らについては平成3年12月1日をもって雇用契約が既に終了していたのであるから、賞与支給日に在籍する従業員との要件に欠けるのみならず、具体的な支給額については被告会社の裁量による決定のあったことを認めるに足りる証拠もないのであるから、原告らのこの点に関する請求は理由がない。
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